抄録
症例は35歳,男性.噴嚔後,胸痛と呼吸苦が出現したため前医へ救急搬送となった.右緊張性気胸に対して胸腔ドレナージが施行されたが,大量の気漏とともに大量出血を認めたため特発性血気胸の診断で当センターへ転院となった.循環動態および胸部X線写真所見より緊張性血気胸と判断し胸腔ドレーンを追加したところ,血圧上昇が得られたがドレーンからの出血は持続した.造影CTでは右肺尖部付近にextravasationを認め,血圧が再度低下傾向を示したため,出血性ショックの合併と診断し緊急胸腔鏡下手術(video-assisted thoracoscopic surgery;VATS)を施行した.肺尖部付近の壁側胸膜に断裂し出血している異常血管を電気メスで焼灼止血,肺尖部の破裂ブラと未破裂ブラの集簇を自動縫合器で切除後,血腫除去し手術終了した.術後経過は良好で第6病日に胸腔ドレーン抜去,第8病日に退院となった.