抄録
背景:限局型小細胞肺癌は臨床病期I期のみ外科切除が推奨されているが,2015年の米国のNCDデータベースによる調査では,局所進行のみであればII期以上の小細胞癌患者でも手術を組み合わせることで長期生存が得られる可能性があるとされた.症例:64歳,男性.遷延する咳嗽を主訴に胸部CT検査を施行したところ左肺門部に約5cmの腫瘤影を認め,気管支鏡検査で小細胞癌と診断.PET/CT検査および頭部造影MRI像上遠隔転移はなくc-T2aN0M0,c-stage I Bと診断され,当科紹介となった.術中に心膜浸潤を疑い,心膜合併切除を含む左肺全摘および縦隔郭清を施行した.術後病理学的に心膜浸潤を認めp-T3N0M0,p-stage II Bと診断.術後補助化学療法としてCBDCA+VP16を6コース施行.その後,予防的全脳照射を追加され,術後3年9カ月後の現在も無再発で経過中である.