抄録
症例は19歳の男性で,腹痛を主訴に当院を受診した.下腹部に筋性防御を認め,白血球20,500/mm3,CRP 27.1mg/dLと著明な炎症反応上昇を認めた.腹部CT所見では骨盤内に小腸から連続して盲端に終わる嚢状構造物を認め,free air,腹水,周囲脂肪織濃度上昇を伴っていた.同構造物は上腸間膜動脈の分枝に栄養されていると思われた.Meckel憩室炎,重複腸管のいずれかの穿孔による膿瘍形成・腹膜炎を疑い,緊急開腹手術を施行した.回盲部から60cmの回腸からT字型に分岐する8cm大の弾性硬の穿孔腸管を認めた.隣接腸管と共有する腸間膜を有していたため穿孔性重複腸管と診断し,手術は重複腸管部のみを切除した.病理学的には食物残渣により重複腸管が化膿性に穿孔した所見であった.
稀な先天性消化管奇形である重複腸管による穿孔症例を経験したので報告する.