2019 年 80 巻 10 号 p. 1797-1801
結節性筋膜炎が乳房に発生することは稀であり,臨床的に悪性腫瘍との鑑別が問題となる.しかし,あくまでも良性の腫瘍性病変であるため必ずしも外科的切除が必要ではない.今回われわれは,思春期の女子の乳房に発生した結節性筋膜炎の1例を経験したので,報告する.症例は15歳の女性,1週間ほど前から左乳房腫瘤を自覚し,母親とともに当院を受診.左乳房下内側部に約1cmの可動性のある隆起性腫瘤を認めた.同部位の針生検で結節性筋膜炎と診断されたが,半年経過後も消失しないため切除を強く希望し,切除を行った.思春期の女子の乳房に触知可能な腫瘍が発生することは稀であり,その診療に際しては心理面にも配慮した対応が必要と考えられた.