2019 年 80 巻 11 号 p. 2013-2017
症例は76歳,女性.貧血を主訴に当院を受診し,精査にて胃前庭部小弯側に3型の胃癌を認め,開腹幽門側胃切除術を施行した.進行度はT4a(SE)N1M0 pStage III Aで,術後補助化学療法を希望せず定期フォローのみとしていた.術後2年目に腫瘍マーカーの上昇を認めPET-CTを施行したところ,孤立性に脾臓に集積亢進を認めたが,積極的治療を希望しなかった.術後3年目で脾腫瘍の増大を認め手術希望があったため,横隔膜合併切除を伴う開腹脾臓摘出術を施行した.病理組織学的に胃癌の転移であった.再手術後3年0カ月の現在,無再発生存中である.胃癌からの脾転移は遠隔転移の一つとされるが,異時性孤立性脾転移は切除により長期生存の報告もあり,積極的切除が望ましいと考えた.