2019 年 80 巻 11 号 p. 2050-2054
症例は64歳,男性.右下腹部痛と発熱を主訴に来院した.腹部CT検査で後腹膜膿瘍を伴った急性虫垂炎と診断され,後腹膜経路でCTガイド下ドレナージ術を施行した.膿瘍消失後に待機的に腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後病理組織学的検査所見で虫垂に並行して存在する非交通性の重複虫垂を認めた.重複虫垂は極めて稀であり,本邦においても文献的に報告されているものの,後腹膜膿瘍形成を契機に診断された報告は認められない.また,自験例は後腹膜膿瘍形成に対し,経皮的ドレナージを施行したうえで待機的腹腔鏡下虫垂切除術(laparoscopic interval appendectomy:LIA)が有効であった1例であり,文献的考察を加えて報告する.