日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
肝円索腫瘤を呈したIgG4関連疾患の1例
西田 裕紀徳光 幸生新藤 芳太郎松井 洋人松隈 聰永野 浩昭
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 11 号 p. 2055-2060

詳細
抄録

症例は75歳,男性.膵管内乳頭粘液性腫瘍フォローのため施行された造影CTで,肝鎌状間膜内に20mm大の腫瘤を指摘された.超音波ガイド下生検を施行されたが,病理学的診断は困難であった.腫瘤は緩徐に増大傾向であり,FDG-PETで腫瘤にSUVmax=4.4の軽度集積を認めた.外科的診断目的で当科紹介となり,肝鎌状間膜由来の平滑筋肉腫や間葉系腫瘍を疑い,腹腔鏡下腫瘤切除術を施行した.腫瘤は肝円索の肝流入部に存在しており,腫瘤に近接していたG4を処理し,阻血域となった肝S4を部分切除した後に腫瘤を摘出した.切除標本の病理組織学的所見では,肝円索に多数のIgG4陽性形質細胞浸潤および線維化を認めた.血液検査で高IgG4血症を認めたため,IgG4関連疾患と診断した.肝円索病変を呈するIgG4関連疾患はこれまでに報告を認めない,稀な病態であると考えられた.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top