2023 年 13 巻 1 号 p. 39-46
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの発生以来,治療薬・ワクチンなどの早期の実用化に向けて,世界各国で緊急的な薬事審査制度が活用されてきた.日本においても,特例承認制度を活用して複数の治療薬・ワクチンが迅速に承認されてきたが,日本で開発された医薬品に対しては適用できないといった課題に対応するため,2022年5月20日に,薬機法(医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改正により緊急承認制度が創設され,安全性が確認されれば,有効性が推定された段階で承認ができることとなった.今後,緊急時にはこの制度も活用し,迅速に医薬品を実用化することが重要である.