日本臨床外科学会雑誌
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症例
門脈輪状膵を伴った遠位胆管癌の1例
木村 直也平木 将紹三好 篤田中 聡也北原 賢二
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2019 年 80 巻 11 号 p. 2078-2083

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抄録

門脈輪状膵は膵頭部鈎部と膵体部背側とが癒合し,膵が門脈を輪状に巻き込んだ稀な膵の形態異常である.今回われわれは,門脈輪状膵を伴う遠位胆管癌に対して亜全胃温存十二指腸膵頭切除術を施行した1例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.心窩部の不快感と掻痒感を主訴に当科を受診された.精査の結果,遠位胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した.術中,門脈直上での膵切離時に主膵管が見られないことを契機に門脈輪状膵であることが判明した.背側の膵組織を門脈左縁で切離し,膵再建法は膵胃吻合で行った.術後は臨床的膵液瘻は認めず,軽快退院した.術後にCTを見直すと門脈輪状膵を指摘することは可能であった.門脈輪状膵は稀な形態異常ではあるが手術手技や再建において注意を要するため,術前に念頭に置くべきであると考えられた.

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