抄録
林野火災のリスク評価において,着火と延焼の原因となる地表燃料の定量化は重要である。林床にシダ植物が優占する森林で地表燃料の単位量と総量から林野火災リスクを推定することを研究の目的として,林床にコシダが優占する瀬戸内海地域の二次林で,林冠火災後の森林再生にともなう林床のシダ類と A0 層の乾燥重量の変化を調べた。火災履歴のない森林はどちらの評価方法でも最もリスクが高い結果となったが,火災履歴のある森林では両者の評価結果は異なった。単位量による評価では,経年とともにリスクが増したが,総量による評価では,より最近の火災ほど延焼面積が広く,再生林の連続性が高いためリスクが高くなった。火災リスク評価における景観構造の重要性が示唆された。