日本臨床外科学会雑誌
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症例
総胆管結石の主膵管内迷入による急性膵炎の1例
溝口 公久田村 公二河野 博前山 良山元 啓文植木 隆
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2019 年 80 巻 11 号 p. 2084-2090

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抄録

急性胆石性膵炎は胆石が十二指腸乳頭部に嵌頓し膵管を閉塞することで引き起こされるが,胆石が主膵管内に迷入する例は非常に稀である.今回われわれは,総胆管結石が主膵管へ迷入し急性膵炎を発症した1例を経験した.症例は61歳の男性で心窩部痛を主訴に当院を紹介受診し,胆嚢・総胆管結石症の診断で後日内視鏡的切石予定であった.4日後再度心窩部痛が出現し当院へ救急搬送され,急性胆石性膵炎の診断で入院となった.CTで総胆管結石が膵管内へ移動している所見が疑われた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影を施行したところ,胆管内に明らかな陰影欠損像は認めず,膵頭部主膵管内に陰影欠損を認め,胆管結石の膵管内迷入と診断した.膵管ステント留置により徐々に膵炎所見は改善し,腹腔鏡下胆嚢摘出術後に内視鏡的切石を行った.自然経過での膵管内迷入胆石は非常に稀でありこれまでに報告例はないが,急性膵炎の原因の一つとして常に念頭に置く必要がある.

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