日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
単孔式腹腔鏡下に切除した腹壁内神経鞘腫の1例
村瀬 芳樹アディクリスナ ラマ角田 悟渡辺 雄一郎宇田川 勝
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 11 号 p. 2097-2101

詳細
抄録

神経鞘腫は末梢神経のSchwann細胞に由来する腫瘍であり,腹壁内の発生は比較的稀である.症例は76歳の男性で,糖尿病で近医通院中に腹壁腫瘤を指摘され,紹介受診された.腹部超音波検査で肝表面に接する円形の腫瘤を認め,腹部CTで右側腹部に23×20×18mmの境界明瞭で造影効果のある類円形の充実性腫瘤を認めた.10年前に行ったCTと比較すると,緩徐に増大していることから手術の方針とし,臍からの単孔式腹腔鏡下切除術を施行した.術中所見では,右上腹部腹壁に半球状の腫瘤が腹腔内に突出しており腹腔鏡下に切除可能であった.摘出した腫瘤は20×20×16mm大の黄白色であり,病理組織では長紡錘形細胞の増殖が見られ,免疫染色ではS-100蛋白陽性,c-kit陰性と神経鞘腫の所見であった.近年では自験例のように本疾患に対して腹腔鏡下手術の報告もあり,条件によっては単孔式腹腔鏡での切除が有用であると考えられた.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top