日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下修復術を行った縦隔炎に対する大網充填後剣状突起下ヘルニアの1例
村田 悠記坂本 英至法水 信治新宮 優二山内 康平尾辻 英彦
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2019 年 80 巻 11 号 p. 2102-2105

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抄録

症例は77歳,女性.食後の前胸部膨隆を主訴に受診.既往に冠動脈バイパス術後の縦隔炎に対し大網充填術を受けている.術後より前胸部の膨隆を自覚していたが,最近になり,食後の前胸部膨隆と圧迫感が増悪したため受診した.胸腹部CTでは剣状突起下から胸骨前にかけて大網および胃の脱出を認めた.開心術後縦隔炎に対する大網充填術後の剣状突起下ヘルニアと診断し,開腹でヘルニア修復術を施行した.手術は充填された大網を温存し,メッシュにkeyholeを作成し,ヘルニア門を被覆した.術後約2カ月で再発し,腹腔鏡下に再手術を施行した.前回手術時に作成したkeyhole部がヘルニア門となっていた.大網を離断し,ヘルニア門全体をメッシュで覆い修復した.術後,再発や大網壊死の所見は認めていない.縦隔炎に対する大網充填術後の合併症として瘢痕ヘルニアは知られているが,腹腔鏡下修復術を施行した報告例は少ない.文献的考察を踏まえて報告する.

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