2019 年 80 巻 12 号 p. 2250-2256
症例は60歳,女性.所属リンパ節転移を伴うStage III aの上行結腸腺癌に対して結腸右半切除術を施行.術後7カ月目,経過観察目的の大腸内視鏡検査にてS状結腸に6mmのI p型ポリープを認め,内視鏡的粘膜切除を施行した.病理組織学的検査結果はIgGλ型の髄外性形質細胞腫と診断された.切除断端陽性であったため,所属リンパ節郭清を伴うS状結腸切除術施行した.病理組織学的には腫瘍の局所遺残やリンパ節転移は認めなかった.術後112カ月経過,無再発生存中である.大腸髄外性形質細胞腫は稀で,本邦では自験例で10例目である.また,自験例は大腸癌と大腸髄外性形質細胞腫の同時性重複癌症例であり,極めて稀なケースであると考えられた.
髄外性形質細胞腫は放射線治療に感受性が高いことが知られているが,大腸原発の髄外性形質細胞腫の治療方針は外科的切除が第一選択で可能な限り完全切除が必要であると考えられる.若干の文献的検討を加えて報告する.