日本臨床外科学会雑誌
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症例
脳梗塞を初発症状とした肺動静脈奇形の1例
小濱 拓也髙田 昌彦山本 侑毅宮本 直和
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2019 年 80 巻 2 号 p. 282-287

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抄録

肺動静脈奇形(PAVM)は肺動静脈間に異常短絡を有する疾患で,右左短絡による奇異性脳塞栓症を呈することが知られている.症例は44歳,女性.突然の頭痛,眩暈,構音障害を主訴に救急搬送された.頭部MRIで超急性期脳梗塞と診断され,遺伝子組み換え組織プラスミン・アクティベーター投与および抗凝固療法を施行し,神経症状の改善を得た.コントラスト経食道心エコー図検査を行い,マイクロバブルの左房への移動を確認した.胸部造影CT検査で左肺S10末梢に単発のPAVMを認めたので完全胸腔鏡下にPAVMの摘出術を施行し,良好な結果を得た.PAVMの治療はコイル塞栓術が第一選択といわれてきたが,再発の報告も散見される.末梢発生の単発病変であれば,簡便で確実,かつ低侵襲の胸腔鏡下手術も選択肢に加えられるべきである.若年者の脳梗塞症例に本疾患は鑑別診断の一つとして重要である.

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