日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
ステントグラフト内挿術を行った胸部大動脈瘤関連大動脈食道瘻の2例
平田 裕久東 弘太郎綛谷 哲矢森田 剛史西岡 宏彰垣井 文八
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 2 号 p. 288-292

詳細
抄録

緒言:大動脈食道瘻はまれな疾患であるが,発症した場合は致死的となる.しかし,未だ治療法は確立されていない.今回,ステントグラフト内挿術後に異なる経過をたどるも,救命しえた2例を経験した.症例:症例1は69歳,女性.発熱,背部痛,大量吐血を主訴に救急搬送.症例2は67歳,男性.嚥下障害,大量吐血を主訴に救急搬送.いずれも造影CT検査で下行大動脈食道瘻と診断とされ,同日緊急ステントグラフト内挿術を施行された.症例1は食道瘻孔部単純閉鎖,広背筋弁充填,腸瘻造設術を行ったが,閉鎖部に縫合不全をきたし,胸部食道単純切除術後,二期的に消化管再建術を行った.症例2は一期的に消化管再建術を行った.いずれも3年以上,グラフト感染の兆候はない.結論:大動脈食道瘻に対してステントグラフト内挿術を行い救命しえた2例を経験した.出血制御目的のステントグラフト内挿術,および感染制御のための食道切除が有用と考えられた.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top