日本臨床外科学会雑誌
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症例
転移リンパ節の破裂による腹腔内出血で発症した進行胃癌の1例
坂本 聡大高橋 秀徳佐々木 彩実野村 克杉野 弘和大森 一吉
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2019 年 80 巻 2 号 p. 315-319

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抄録

患者は50歳,男性.突如出現した左側腹部のため救急搬送された.造影CTで膵体部に接する15cm大の腫瘤と腹水貯留を認め,腫瘤の破裂による腹腔内出血が疑われた.待機手術の方針として全身精査を行い,食道胃接合部癌の転移リンパ節の破裂および傍大動脈リンパ節転移の診断とした.化学療法は腫瘍崩壊症候群が懸念され時間経過により再出血のリスクがあると考え,手術先行の方針とした.胃全摘・膵体尾部合併切除を行った.術後に化学療法を継続している.胃癌による消化管出血は頻繁に遭遇する病態であるが,腹腔内出血を呈することは稀であり,転移したリンパ節が巨大化して破裂する本症例を含めて4症例のみ報告されている.そのうち2例で緊急手術が選択され,そのうち1例は合併症のため術後約1カ月半で死亡している.治療には巨大化した転移リンパ節の切除が必要となるが,拡大手術が必要な場合があり,手術時期や術式などの判断は慎重に行わなければならない.

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© 2019 日本臨床外科学会
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