2019 年 80 巻 2 号 p. 422-427
Low grade fibromyxoid sarcoma (以下,LGFMSと略記)は稀な軟部腫瘍であり,長期的に転移再発をきたす悪性の臨床像を呈する.今回,骨盤内LGFMSの1例を経験したので報告する.症例は43歳の男性で,便通異常を主訴に来院した.腹部造影CTにて仙骨前面に約11cm大の腫瘤性病変を認めた.術前に経直腸的に穿刺生検を施行したが確定診断は得られなかった.経仙骨および経腹アプローチで剥離断端を確保し腫瘍摘出,直腸低位前方切除術を施行した.病理組織所見では線維成分と粘液腫様成分の混在より成っており,免疫染色でMUC4陽性であることを併せてLGFMSと診断した.術後経過は良好で術後3年を経て再発を認めていない.仙骨前面のLGFMSは極めて稀ではあるが,軟部腫瘍の鑑別診断として考慮すべきであり,またその再発までの期間は長期にわたるため経過観察が必要である.