2019 年 80 巻 2 号 p. 428-432
症例は45歳,女性.12年前,帝王切開後の絞扼性イレウスに対し,小腸切除,人工肛門造設,その後,閉鎖術が施行された.8年前,人工肛門閉鎖部の腹壁瘢痕ヘルニアに対しヘルニア修復術(単純閉鎖法)が施行され,5年前に腹壁瘢痕ヘルニア再発を認めた.最近,疼痛が出現し当科を受診.CT検査上,径15mmと径30mmのヘルニア門を右側腹部に確認した.18年前より皮膚筋炎と診断されプレドニゾロン10mgを内服中で,組織の脆弱性,中心性肥満体型のため,単純閉鎖法は再々発のリスクが高い.また,易感染宿主でありメッシュを使用しSSIを生じた場合,その治療に難渋する可能性も高い.そこで,腹直筋鞘前葉を反転しヘルニア門を閉鎖,さらに大腿筋膜を自家移植するヘルニア修復術を選択した.再発腹壁瘢痕ヘルニアは組織の脆弱性より,再々発のリスクは高い.患者背景に合わせた術式の選択が再発率の低下につながると考えられた.