日本臨床外科学会雑誌
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症例
虫垂腫瘍と鑑別が困難であった鼠径ヘルニア術後遅発性メッシュ感染の1例
岡本 和浩金岡 祐次前田 敦行高山 祐一深見 保之高橋 崇真
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2019 年 80 巻 3 号 p. 575-580

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抄録

67歳,男性.主訴は右鼠径部膨隆.1年前に他院にてKugel法による両側鼠径ヘルニア手術が施行された.術後は右側で皮下血種を認めたが保存的に軽快した.右鼠径部膨隆を主訴に当院を受診した.血液検査所見では炎症反応や腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.造影CT検査では虫垂先端が腹壁に接して腫大し周囲の軟部陰影増強を認め,FDG-PET検査では同部位に異常集積を認めた.虫垂腫瘍の診断で腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.腫大した虫垂は腹壁およびメッシュと一体化していた.感染ではなく悪性腫瘍と判断したため,メッシュは可及的切除に留まった.病理組織所見では虫垂は組織構造が保たれており,悪性所見や炎症所見を認めずメッシュ周囲には高度な好中球浸潤を認め,遅発性メッシュ感染による膿瘍形成と診断した.本症例は遅発性メッシュ感染により炎症が虫垂に波及し,FDG-PETで高集積を示したと思われた.

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© 2019 日本臨床外科学会
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