日本臨床外科学会雑誌
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症例
超音波内視鏡下生検で診断し腹腔鏡下に摘出した後腹膜神経鞘腫の1例
藤崎 洋人小関 優歌岸田 憲弘伊藤 康博平畑 忍高橋 孝行
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2019 年 80 巻 5 号 p. 1001-1006

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抄録

症例は51歳,女性.他疾患精査のため腹部CTが施行され,右副腎周囲に最大径6.0cmの充実性腫瘤を指摘された.腫瘤は下大静脈や右腎静脈の背側に位置していた.MRIでは右副腎は腫瘍とは別に同定され,血清カテコラミン3分画は正常範囲内であった.超音波内視鏡下穿刺術を実施したところ,腫瘍は紡錘形細胞からなり,免疫染色でS-100蛋白陽性であった.以上より後腹膜神経鞘腫と診断し,腹腔鏡下腫瘍摘出術を計画した.体位は仰臥位載石位とし,5ポートで手術を開始した.下大静脈や右腎静脈に留意しながら被膜を損傷しないように剥離を進め,椎体右縁との強固な結合織を切離して検体を摘出した.右副腎は合併切除した.術後経過は良好で,術後7日目に退院した.後腹膜神経鞘腫において,術前に超音波内視鏡下穿刺術で確定診断された報告は少なく,また上腹部に位置し腹腔鏡下に摘出されたのは31例と稀であり,文献的報告を含めて報告する.

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