2019 年 80 巻 5 号 p. 876-882
症例は48歳,男性.8年前に健診で貧血を指摘され,当院消化器内科へ紹介受診.内視鏡検査で胃内に易出血性のポリープを認め,生検の結果,胃限局性若年性ポリポーシス(juvenile gastric polyposis:JGP)の診断であった.その後の内視鏡検査ではポリープの増大を認めた.腹部CT検査にて胃壁の不整があり,悪性所見を疑われ外科紹介,胃全摘術を施行した.術中所見では胃穹窿部に腫瘍を認めた.術後経過は良好である.病理検査にて腫瘤は神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)の診断であった.JGPは胃癌を発生するリスクがあり,腺癌を合併した症例は散見される.しかし,NECを合併した症例は認めなかった.今回,JGPにNECを合併した稀な1例を経験したため報告する.