日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝膿瘍形成を契機に発見された進行胃癌の1例
原田 拓光内藤 浩之小林 健岡野 圭介馬場 健太立本 直邦國安 弘基
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2019 年 80 巻 5 号 p. 887-892

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抄録

肝膿瘍形成を契機に発見された進行胃癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は67歳の女性,発熱と悪寒を主訴に来院.腹部造影CTで肝に不整形の低吸収域と胃前庭部の不整な壁肥厚を認めた.肝膿瘍と診断し,抗菌薬加療に加え,経皮経肝膿瘍ドレナージを行い肝膿瘍は消失した.膿瘍排液の培養では,Klebsiella pneumoniaeが検出された.胆道疾患なく消化管の精査を行ったところ,上部内視鏡検査で胃前庭部に進行胃癌を認め,幽門側胃切除術を行った.切除標本の癌病変部を擦過し提出した細菌培養検査では,Klebsiella pneumoniaeが検出された.術後38カ月経過時点で,肝膿瘍の再発や胃癌の転移,再発は認めず経過観察中である.肝膿瘍の存在が明らかになった場合には,消化管疾患の合併に留意しできる限り消化管精査を施行することが重要であると考えられた.

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