2019 年 80 巻 5 号 p. 904-912
大腸切除後に発症した潰瘍性大腸炎類似胃十二指腸炎の2例を報告する.両者とも若年女性で,難治性潰瘍性大腸炎に対し,大腸亜全摘+回腸嚢肛門管吻合術が施行された.症例1は術後2カ月目に心窩部痛と嘔気を,症例2は同じく術後2カ月目に全身倦怠感と嘔気を認め,精査加療目的に入院となった.両者とも,上部消化管内視鏡検査で胃・十二指腸に発赤,びらん,細顆粒状変化,小黄白斑や粘膜粗造所見を認め,潰瘍性大腸炎類似胃十二指腸炎と診断された.治療は2例とも,ステロイド加療が一時的に奏効したが,漸減中に再燃をきたした.症例1はステロイド再増量で軽快し,症例2はメサラジン粉砕顆粒と顆粒球除去療法の併用で軽快した.症状軽快後は両者ともにステロイドから離脱し,現在も再燃を認めていない.潰瘍性大腸炎類似胃十二指腸炎は比較的稀な疾患であるが,本疾患概念を念頭に置いた早期診断や治療開始が成績向上に重要と考えられた.