2019 年 80 巻 5 号 p. 957-963
37歳,女性.双胎妊娠24週0日に妊娠高血圧症候群の増悪のため緊急帝王切開術を施行した.術後出血および肝逸脱酵素上昇を契機として,CTでpartial HELLP(hemolysis, elevated liver enzymes, low platelet count)症候群に続発した右肝柀膜下血腫からの肝破裂と診断し,同時に右側肝円索を有することが判明した.出血が持続したため経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)で止血した.TAEから10日後に,肝梗塞に陥った肝右外側領域と右傍正中領域背側部を切除した.重篤な周産期合併症として発症した肝破裂であり,かつ肝に稀な解剖学的変異も有していた症例に対し,緊急のTAEと待機的な肝切除を,段階的に組み合わせて救命できたため報告する.