日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下胆摘後の腹腔内落下結石膿瘍に対する腹腔鏡手術後再発の1例
貝羽 義浩小笠原 紀信関口 悟米田 海
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 6 号 p. 1223-1227

詳細
抄録

症例は86歳,男性.2015年,胆石症で腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)を施行した.術中胆嚢穿孔があり,5-10mm大の黒色石が複数腹腔内へ落下した.可及的に落下結石を回収し手術を終了し,第3病日に退院した.2017年,腹痛にて来院し,CTで肝右葉背側に膿瘍を認めた.経過から,LC時の落下結石による腹腔内膿瘍の診断で,腹腔鏡下手術を施行した.腹腔鏡下に膿瘍腔を開放し,1cm大の黒色石を1個認め摘除した.洗浄吸引を繰り返したが他に結石はなく,ドレーンを留置して閉創し,術後経過良好にて退院した.しかし,術後再び膿瘍形成を認め増大傾向のため,再入院後穿刺ドレナージを施行し,膿瘍縮小後退院した.その後は膿瘍増大を認めず,現在外来で経過観察中である.近年,LC時の落下結石による腹腔内膿瘍に対する腹腔鏡下手術の良好な結果が散見されるが,完全採石の確認が難しく再発する可能性があり,注意を要する.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top