日本臨床外科学会雑誌
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症例
副膵管の異型上皮から発生したと考えられる十二指腸副乳頭部癌の1例
坂田 寛之國府島 健西江 尚貴伏見 聡一郎遠藤 芳克渡邉 貴紀甲斐 恭平
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2019 年 80 巻 6 号 p. 1228-1233

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抄録

症例は86歳,男性.食思不振を主訴に前医を受診し,上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部の口側に潰瘍限局型の腫瘍を認め,生検で管状腺癌であったため当院へ紹介された.十二指腸癌の診断のもと,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行った.病理検査では十二指腸副乳頭部に潰瘍限局型の腫瘍(21×20mm)を認め,十二指腸副乳頭部癌 Stage II Aと診断した.副膵管と,副膵管分岐部より尾側の主膵管にかけてhigh-grade PanIN相当の増殖性病変を認めており,副乳頭部にも浸潤していた.術後約1年6カ月経過観察した現在,無再発生存中である.十二指腸副乳頭部癌は極めて稀な疾患であり,本邦における癌取扱い規約では胆管上皮の存在しない副膵管の位置づけについて明確なコンセンサスは未だ得られていない.十二指腸副乳頭部癌の1切除例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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