日本臨床外科学会雑誌
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症例
脾原発孤立性髄外性形質細胞腫の1例
町野 翔吉田 寛橋本 明彦川口 信哉浅野 重之新谷 史明
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2019 年 80 巻 6 号 p. 1234-1238

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抄録

症例は76歳,男性.検診の腹部超音波検査で脾腫瘍を指摘され,当科紹介となった.自覚症状や腫瘍マーカーの上昇はなく,造影CTでは脾臓に孤立性の内部不均一で境界明瞭な46mm大の腫瘤性病変を認めた.術前診断で過誤腫が第一に推察されたが,悪性リンパ腫も否定できず,脾臓摘出術を施行した.病理組織検査では,びまん性密な車軸核を有する形質細胞が充実性に増殖していた.術後尿中Bence-Jones蛋白を認めず,脾臓原発の孤立性髄外性形質細胞腫(solitary extramedullary plasmacytoma;以下solitary EMP)の診断を得た.現在も無治療で無再発生存中である.本疾患は形質細胞腫の中でも稀で,上気道や下気道,消化管に局在することが多い.脾臓原発のsolitary EMPは本邦の報告は極めて少ない.われわれは非常に稀な症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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