2019 年 80 巻 7 号 p. 1284-1290
症例は52歳,女性.左乳房上方の腫瘤を自覚し当科を受診した.乳腺超音波検査で同部に低エコー腫瘤を認め,針生検による組織検査では,N/C比の高い小型細胞が密に増殖しCD56が一部で陽性を示す腫瘍で,小細胞癌の疑いと診断された.全身検索の結果,リンパ節転移は認めず,また他臓器に転移や原発を示唆するような病変は認めなかった.乳腺原発小細胞癌の診断で乳房切除+センチネルリンパ節生検を施行した.病理組織検索では上記所見に加え乳管内病変も認められ,乳腺原発小細胞癌と診断した.術後補助療法としてepirubicin/cyclophosphamide followed by weekly paclitaxel療法を施行した.術後7カ月現在,無再発生存中である.乳腺原発小細胞癌は非常に稀で,確立した治療法はなく,今回術後の治療法に関しても文献的考察を加えたので報告する.