2019 年 80 巻 7 号 p. 1320-1325
症例は79歳,女性.突然の腹痛,食残様嘔吐にて当院へ救急搬送となった.来院時血液検査では貧血や炎症反応の上昇は認めなかった.腹部造影CT検査では小腸内に境界明瞭腫瘤を認め,内部に造影剤流出に伴う高吸収な液面形成が疑われた.また,小腸の壁肥厚,周囲脂肪識濃度上昇を認めた.入院翌日の血液検査では貧血,炎症反応の上昇が認められたが,血管造影検査では明らかな動脈瘤は指摘できなかった.再検した腹部ダイナミックCT検査では均一に造影される2cm大の小腸内腫瘤を認め,動脈瘤の可能性も否定できず緊急手術の方針となった.手術は腹腔鏡補助下に施行.上部空腸に腫瘤が触知され,小腸部分切除を行った.病理検査の結果,粘膜下動脈瘤の診断となった.小腸の粘膜下動脈瘤は稀な疾患であり,未破裂の状態で発見された報告例は少ない.今回,腹腔鏡補助下に切除した未破裂小腸粘膜下動脈瘤の1例を経験したので,報告する.