2019 年 80 巻 7 号 p. 1376-1381
63歳,女性.2年前から上腹部不快感,食欲不振,嘔気を認め,精査目的で前医を受診した.精査の結果,脾前面の腫瘤と骨盤内腫瘤の腫大を指摘され,診断・治療目的に当院に紹介となった.上下部消化管内視鏡やEUS検査にて壁外病変の診断となり,リンパ節腫大が疑われた.穿刺細胞診を行うも診断に至らず,Castleman病を疑い外科的リンパ節生検を行う方針となった.既往歴に多数の手術歴があり,腹腔内の癒着を認めたが,周囲と強固に癒着する白色結節を多数認め,播種病変の様相を呈したが,術中迅速検査に提出するも悪性所見は認めなかった.標的としたリンパ節に至っては横隔膜を貫き浸潤をきたしていた.病理結果は,IgG4陽性形質細胞の組織への浸潤と花筵様の線維化,閉塞性静脈炎を呈しておりIgG4関連疾患の診断に至った.診断後は,免疫腫瘍内科にてステロイドが開始された.診断に難渋したIgG4関連疾患を経験したので報告する.