日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹壁原発滑膜肉腫の1例
大島 由佳片山 知也奥田 耕司砂原 正男大島 隆宏三澤 一仁
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キーワード: 腹壁腫瘍, 滑膜肉腫
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2019 年 80 巻 8 号 p. 1542-1547

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抄録

滑膜肉腫は軟部腫瘍の7%を占める比較的稀な腫瘍である.10代後半から30代の若年成人に好発するとされており,大関節周囲が好発部位である1).腹壁原発は全滑膜肉腫の2.6%と稀とされる2).今回,腹壁原発の滑膜肉腫を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

症例は39歳の男性で,左季肋部痛を主訴に受診した.触診では左季肋部に3cmほどの腫瘤を触知し,圧痛も認めた.CTでは,左季肋部の腹壁から腹腔側に突出する58×52mmの境界明瞭な腫瘤を認めた.内部は不均一で,辺縁にのみ増強効果を認めたが,画像上は良悪性の判断が困難であった.有痛性でもあり,明らかな遠隔転移や他臓器浸潤を認めなかったことから切除可能と判断し,腫瘤切除術を施行した.病理組織学的検査で滑膜肉腫と診断された.滑膜肉腫は再発や転移率が高いため,術後に補助放射線治療と補助化学療法を施行し,現在も再発なく生存している.

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© 2019 日本臨床外科学会
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