日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃癌根治手術中の血圧上昇を契機に診断したパラガングリオーマの1例
石井 健一吉田 信松田 隆志浅沼 和樹大黒 聖二石後岡 正弘
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2019 年 80 巻 8 号 p. 1548-1554

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抄録

症例は68歳,男性.胃癌の内視鏡治療後,病理所見で脈管侵襲陽性のため追加切除の方針となり当院へ入院.CT検査で腹部大動脈と下大静脈の間に径38×14mmの境界明瞭で内部不均一な腫瘤を認め,傍大動脈リンパ節腫脹や神経鞘腫などの後腹膜腫瘍を考えて,胃切除と同時摘出の方針として手術を行った.後腹膜腫瘤の周囲を操作した際,著明な血圧上昇が出現し,手術を中止して精査を行った.蓄尿検査でカテコールアミン高値,MIBGシンチグラフィーで腫瘤は高い集積を認め,パラガングリオーマと診断して,初回手術から2週間後に再手術を行った.腫瘤周囲の剥離の際に多少の血圧変動を認めたが,血管処理後には安定し,腫瘤摘出後に胃癌根治手術を行った.病理所見からパラガングリオーマと診断した.後腹膜腫瘍では,たとえ血圧正常で自覚症状がなくとも,パラガングリオーマの可能性を常に念頭に置いて診断と治療を行う必要がある.

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© 2019 日本臨床外科学会
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