2019 年 80 巻 9 号 p. 1658-1664
症例は74歳の女性で,間歇的な嘔吐と腹部膨満感があり,腸閉塞症の診断で3カ月前から近医で加療を受けていた.発熱および腹部全体痛が出現したために腹部CT検査を施行したところ,腹腔内遊離ガスおよび小腸壁の浮腫状肥厚と小腸間膜リンパ節腫脹を認めた.精査加療を目的として当院紹介となり,小腸穿孔による急性汎発性腹膜炎に対して腹腔内洗浄ドレナージおよび小腸部分切除術を施行した.摘出標本での病理組織像では著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を認めた.血清IgG4値の上昇 (726mg/dl)を伴っており,IgG4関連硬化性腸間膜炎による小腸穿孔と診断した.術後のFDG/PET-CT検査で腸間膜リンパ節にFDG異常集積像を認め,ステロイド治療を開始した.自験例は病理組織学的な検討に基づいた診断および治療が非常に有用であったと考えられ,若干の文献的考察を加えて報告する.