抄録
厚生労働省が実施した全国の水道事業を対象とする水道水質関連調査の結果を基に、原水のクリプトスポリジウムの検出状況の把握とその定量的微生物リスク評価を行った。一般的な凝集沈澱-急速沪過および塩素消毒によるクリプトスポリジウムオーシストの除去不活化log 数である3~4log で、目標とした感染確率(10-4/年)および疾病負荷(10-6 DALYs/人)を満たすことができるのは全体の95%の水道原水であった。一方で、原水のクリプトスポリジウム濃度の上昇などの危険事象が発生した場合のマージンはほぼなく、UV 照射などの追加処理または高頻度でのクリプトスポリジウム検査による原水の監視が必要であると考えられた。