日本臨床外科学会雑誌
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症例
手術侵襲を契機に発症した強皮症続発性偽性腸閉塞症の1例
小原 有一朗桂 彦太郎谷川 優麻口分田 亘東山 洋
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2019 年 80 巻 9 号 p. 1665-1669

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抄録

全身性強皮症の合併症に慢性偽性腸閉塞症があるが,皮膚病変が軽微な場合,背景にある全身性強皮症の診断に苦慮することがある.今回,手術侵襲を契機に腸閉塞症状が顕在化し,術後麻痺性イレウスとの鑑別に苦慮した強皮症続発性偽性腸閉塞症の1例を経験した.症例は71歳,女性.癒着性腸閉塞に対して手術を施行した.術後,前回閉塞部近傍に新規癒着による腸閉塞を認めたため再手術を施行した.第二回目の術後,保存的治療抵抗性の麻痺性イレウスが遷延するため,偽性腸閉塞症を鑑別に挙げた.手指末梢に限局した皮膚硬化,Raynaud現象を認め,抗セントロメア抗体が陽性であったため,全身性強皮症と診断した.術後6カ月以上に亘り小腸蠕動不良が持続するため,経過から強皮症続発性偽性腸閉塞症と診断した.全身性強皮症続発性偽性腸閉塞症は手術侵襲を契機に発症しえ,診断には手指末梢の皮膚硬化,Raynaud現象といった所見が有用であった.

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© 2019 日本臨床外科学会
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