2019 年 80 巻 9 号 p. 1702-1707
症例は88歳,女性.血便を主訴に当院を受診.血液検査で貧血を認め,下部内視鏡検査ではS状結腸に潰瘍を伴う1型の隆起性病変を認めた.2週間後の再診時の腹部造影CT検査所見ではS状結腸の腫瘤を先進部とした腸重積を認め,S状結腸腫瘍による腸重積と診断,緊急で開腹S状結腸切除,回腸瘻造設術を施行した.肉眼的所見では,S状結腸に10×5×3cmの大きな1型腫瘍を認めた.病理所見では,紡錘形の異型細胞の増生を認め,錯綜状の配列を示しており,また免疫組織化学染色では,c-kit陰性,CD-34陰性,α-SMA陽性,caldesmon陽性であり,S状結腸平滑筋肉腫と診断した.術後経過は良好であり,現在術後11カ月が経過し無再発生存中である.今回われわれは,S状結腸平滑筋肉腫により腸重積をきたした1例を経験したので,若干の文献的考察を踏まえて報告する.