2019 年 80 巻 9 号 p. 1708-1714
症例は71歳,男性.左下腹部のしこりを契機にS状結腸癌と診断され,精査目的のCT検査にて胃小弯側に47mm大の腫瘤を指摘された.胃GISTを疑い腹腔鏡下S状結腸切除および腫瘤摘出術を施行した.腫瘍は左胃動脈と胃小弯の間に存在し,胃壁との連続性はなかった.病理組織検査では不規則に配列・増殖した紡錘形細胞からなり,免疫組織染色ではc-kit陽性,CD34陽性,S-100 protein陰性,αSMAは陰性で,核分裂像数は5個以下/50HPF,Ki-67陽性率は2-3%であった.以上より小網原発GISTと診断し,modified Fletcher分類における低リスク群であった.術後経過は良好でS状結腸癌に対する術後補助化学療法を施行し経過観察中である.消化管外に発生したGISTは稀な疾患であるが,手術の際にはGIST再発を念頭に置いた術式選択が必要である.