日本臨床外科学会雑誌
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症例
難治性両側気胸をきたした乳腺紡錘細胞癌肺転移の1例
吉田 茉実貝羽 義浩米田 海瓶子 隆弘関口 悟
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2020 年 81 巻 10 号 p. 2004-2010

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抄録

症例は55歳,女性.52歳時に検診のマンモグラフィで異常を指摘された.超音波検査で嚢胞所見を認め,針生検を繰り返したが悪性所見を認めず,54歳時の針生検により乳腺紡錘細胞癌と診断した.乳房全摘術および腋窩リンパ節郭清を施行した.術後化学療法施行中に呼吸苦が出現し,両側気胸を認めた.胸腔ドレナージでは気漏の停止が得られず,入院11日目に胸腔鏡下両側肺部分切除術を施行した.病理検査では乳腺紡錘細胞癌の転移疑いであった.同年,両側気胸を2回繰り返し,胸腔ドレナージおよび胸膜癒着療法を行ったが,56歳時に原病の悪化により死亡した.乳腺紡錘細胞癌は稀な疾患でしばしば診断に難渋するが,乳腺腫瘍が嚢胞化傾向を示した場合には乳腺紡錘細胞癌も念頭に置いて診断・治療にあたるべきと考えられた.また,癌転移による続発性気胸には躊躇なく胸膜癒着療法を行うことが患者のQOLの向上に必要である.

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