日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に切除した小網内Castleman病の1例
上村 翔伊藤 康博高橋 孝行戸倉 英之田中 求杉浦 清昭
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キーワード: Castleman病, 小網内
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2020 年 81 巻 11 号 p. 2346-2350

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抄録

症例は48歳,女性.腰痛の精査目的で施行したCTにて胃小彎に25mmの腹腔内腫瘤を指摘され,紹介受診となった.腹部造影CTでは,胃壁との連続性は明らかではなく,MRIではT1強調で低信号,T2強調で高信号な内部不均一な腫瘤性病変を認めた.以上より,悪性リンパ腫や神経系腫瘍,GIST,Castleman病が鑑別に挙がり,診断目的に腹腔鏡下手術を施行した.術中所見では,腫瘍は胃壁とは連続しておらず,小網内原発と考えられた.病理学的検査結果にて,Castleman病(hyaline vasucular型)の診断となった.

Castleman病の好発部位は頸部や胸部が多く,腹腔内原発は3.2%程度と報告されている.小網内の発生は腹腔内原発の中でも報告が少ない.今回われわれは,小網内Castleman病に対して腹腔鏡下に切除した1例を経験したので報告する.

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