2020 年 81 巻 2 号 p. 323-327
75歳,男性.C型肝炎,肝細胞癌に対して肝部分切除の既往のある肝細胞癌門脈腫瘍栓に対して,肝左葉切除を施行した.術後,肝離断面に留置したドレーンから術後5日目に胆汁様の排液があり,ドレーン造影にて尾状葉枝の胆管が造影され,離断型胆汁漏の診断となった.ドレナージを継続したが,術後20日目のドレーン造影にてドレーン腔から十二指腸への瘻孔が確認され,上部消化管内視鏡で十二指腸球部にA1 Stageの潰瘍を認めた.PPI投与にて十二指腸潰瘍は改善傾向にみられたが,瘻孔が残存した.術後55日目に十二指腸潰瘍側からヒストアクリル®0.4ml+リピオドール1mlを注入した.翌日にドレーン造影にて十二指腸との瘻孔が閉鎖し,胆管も造影されなかった.その後,胆汁漏も軽快しドレーン排液も減少,ドレーン抜去に至った.離断された胆管枝にヒストアクリル®を充填する方法は,低侵襲で離断型胆汁漏には有効な治療法の選択肢の一つと考えられた.