抄録
症例:41歳男性。1994年7月発症のAML-M3。染色体分析では46, XY, t(15;17)と47, XY, idem, +8をそれぞれ50%ずつ認めた。BHAC-DMP療法(Daunomycin 660 mg使用)施行にもかかわらず,寛解が得られず,ATRA 45 mg/m2を投与した。ATRA開始後17日目にATRA症候群と思われる両肺の間質性肺炎を併発(ステロイドで軽快)したが寛解を得た。ATRAは計26日間投与した。地固め療法後,1995年4月PBSCTを施行。採取幹細胞分画中にPML-RARαキメラmRNA(competitive RT-PCR法による)は認めなかった。その後,寛解を維持していたが,1996年7月外耳道に腫瘤形成あり。生検の結果,myeloblastomaであった。同年9月骨髄でもAPLの再発を確認。この時の染色体分析では47, XY, t(15;17), +8を認めた。ATRA 45 mg/m2を再開,再寛解導入に成功し,外耳道部には30Gyの放射線療法を施行した。近年,ATRA治療APL例に外耳道腫瘤形成等の髄外再発の報告が多いが,PBSCT後の髄外再発例は過去に報告がなく,本症例はATRA使用APL例における髄外再発を考える上で貴重な症例と思われる。