2021 年 82 巻 10 号 p. 1861-1866
緒言:虫垂炎に対するinterval appendectomy (IA)が近年普及しているが,悪性腫瘍合併の報告も散見される.今回,当院でIAにより診断された虫垂癌の2例を経験したので報告する.症例1:49歳,男性.2019年6月および9月に急性虫垂炎の診断のもとに保存的加療で軽快した.同年11月にIAを施行し,虫垂の高分化腺癌と診断された.同月に腹腔鏡下回盲部切除(D3)を施行し,最終診断は虫垂癌pT3N1aM0,pStage III bであった.症例2:76歳,男性.2019年10月および12月に急性虫垂炎の診断のもとに保存的加療で軽快した.2020年4月にIAを施行し,虫垂の高分化腺癌および粘液癌と診断された.翌5月に腹腔鏡下回盲部切除(D3)を施行し,最終診断は虫垂癌pT4aN0M1c(P1),pStage IV cであった.結語:虫垂炎の保存的治療後でも虫垂癌合併の可能性を考慮し,早期手術を検討すべきである.