日本臨床外科学会雑誌
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症例
Interval appendectomyを企図した虫垂炎経過中に顕性化した虫垂腫瘍の1例
日高 敬文鶴田 祐介田辺 寛大塚 隆生石神 純也
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2021 年 82 巻 10 号 p. 1867-1872

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抄録

腫瘤形成性虫垂炎の治療はinterval appendectomy(以下,IA)が選択されることが多い.一方,虫垂腫瘍が原因の場合,急性期に腫瘤形成性虫垂炎との正確な鑑別は困難である.今回,腫瘤形成性急性虫垂に対してIA経過中に虫垂粘液性腫瘍が顕性化し,根治切除できた症例を経験したので報告する.

症例は78歳の男性.腫瘤形成性虫垂炎の診断でIAの方針となった.経過観察中に虫垂周囲の嚢胞性腫瘤が顕性化し,虫垂粘液性腫瘍の診断に至り,待機的腹腔鏡下手術を行った.腫瘍は虫垂に限局し,播種やリンパ節腫大も見られなかったため,サージカルマージンを確保して回盲部の部分切除を行った.最終病理診断は低異型度虫垂粘液性腫瘍であった.術後4年が経過し,再発の兆候は認めていない.成人の腫瘤形成性虫垂炎の治療にあたっては虫垂腫瘍の可能性も念頭に,経過中のCTによる虫垂病変の再評価と術前精査を行った後,適切な外科治療が必要であると考えられた.

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