2021 年 82 巻 2 号 p. 320-326
緒言:肉芽腫性乳腺炎(granulomatous mastitis:GM)は原因不明の良性炎症性疾患である.画像上,乳癌に類似した所見を呈し,治療には確立した指針はなく,再発率が比較的高いため治療に難渋することがある.目的:GMと診断された10例の臨床症状,画像所見等を評価しステロイド治療の効果および転帰を検討した.対象:2011年から2019年に岐阜大学医学部でGMと診断された10例とした.結果:平均年齢40.2歳であった.治療は全例にステロイド治療を行い、10例中8例はPSL 0.5mg/kgで開始された.治療平均期間は11.43カ月であった.現時点で,治療が終了した後の症例すべてに再発は認めていない(経過観察期間中央値29.7カ月).結語:当院で経験したGM10例において,ステロイド治療は慎重に経過を見ながら約1年程度かけて減量することで再発率が低く,有用な治療法である可能性が示唆された.