日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳房転移巣を契機に診断された上行結腸癌の1例
栗川 美智子小倉 拓也田中 希世木脇 圭一田村 宜子川端 英孝
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キーワード: 大腸癌, 乳房転移
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2021 年 82 巻 2 号 p. 422-428

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抄録

症例は64歳,女性.左乳房腫瘤を自覚し当院を受診.マンモグラフィ検査,超音波検査にて左乳房に40mm大の分葉状腫瘤と腋窩リンパ節腫大を認め,乳房の針生検にて腺癌と診断された.PET-CTにて回盲部にFDG異常集積を伴う80mm大の腫瘤を認め,下部内視鏡検査を施行した.上行結腸に全周性の隆起性病変を認め,生検にて腺癌と診断された.画像,病理所見から,上行結腸癌とその乳房と腋窩リンパ節転移cT2N1M1b,cStage IV bがまず考えられたが,重複癌も否定できなかった.乳房の病変が急速に増大したため,左乳房部分切除術,左腋窩郭清および腹腔鏡下右半結腸切除術,D3郭清が施行された.手術病理所見から進行大腸癌とその乳房転移と診断された.大腸癌の遠隔転移診断において,単発の乳房転移は極めて稀であり,文献的考察を加え報告した.

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