日本臨床外科学会雑誌
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症例
COVID-19肺炎経過中に腹腔鏡下手術を行ったS状結腸癌の1例
大塚 一雄出口 靖記倉橋 光輝水本 雅己北岡 昭宏財間 正純
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2021 年 82 巻 2 号 p. 429-433

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抄録

症例は80歳,男性.発熱,呼吸苦を主訴として近医を受診し,肺炎を指摘されて当院に紹介,入院となった.単純CT上,両肺野にびまん性に広がる肺炎像に加え,結腸SD移行部に腫瘤性病変を疑わせる所見を認めた.PCR検査にて,COVID-19肺炎と診断された.ファビピラビル,ステロイドパルス療法などにて酸素化は改善し,入院から4週間後に3回のPCR陰性を確認し,隔離を解除した.胸腹部造影CTにて,肺野異常陰影の不明瞭化と結腸の腫瘍性病変を確認した.入院から10週間後に下部消化管内視鏡検査を行った.SD移行部に2/3周性の2型病変を認め,生検結果は高分化型腺癌であった.手術2日前にPCR検査を施行し陰性を確認した後,腹腔鏡下に結腸左半切除術を施行した.病理組織所見は,pT4a,pN2a(5/23),pM0,Stage IIIbであった.術後経過は良好で肺炎の再燃なく,関わった医療者にCOVID-19肺炎の発症を認めていない.

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