日本臨床外科学会雑誌
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症例
初療室下開胸開腹手術にて救命した腰背部刺創の1例
川島 淳山岸 茂岡 智牧野 洋知
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2021 年 82 巻 2 号 p. 474-477

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抄録

症例は49歳,男性.腰背部より包丁で刺され,包丁が遺残したまま左側臥位で当院に搬送された.切迫心停止と判断し,初療室にて蘇生的開胸術,開腹止血術の方針とした.右側臥位へ体位変換し,左前側方開胸,下行大動脈遮断を施行した.続いて右側臥位のまま開腹し,包丁を抜去して,仰臥位にした.腹腔内出血に対し縫合止血,ガーゼパッキングを施行した.循環動態の安定を確認し,open abdominal managementとした.術後に計画的interventional radiologyを施行し,右腎動脈・右腰動脈の出血に対してtranscatheter arterial embolizationを行った.翌日にsecond look operationを施行し閉腹した.術後11日目に独歩退院した.

今回われわれは,初療室下開胸開腹手術にて救命した腰背部刺創の1例を経験した.背部刺創は穿通創の中でも稀であり,体位変換のタイミングや損傷臓器の予測が重要と考えられた.

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