日本臨床外科学会雑誌
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症例
ラジオ波焼灼術を含む集学的治療で13年半生存中の小腸GIST多発肝転移の1例
白川 賢司坂下 吉弘平原 慧久原 佑太久保田 晴菜豊田 和宏
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2021 年 82 巻 3 号 p. 577-585

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抄録

症例は45歳,男性.主訴は左下腹部痛,発熱であった.近医での血液検査,腹部超音波検査でS状結腸癌の穿通,多発肝転移が疑われ受診した.造影CT,大腸内視鏡検査,小腸造影検査で,小腸腫瘍,多発肝転移と診断した.空腸部分切除術を施行したところ,病理組織学的検査では小腸GISTと診断された.イマチニブの投与を開始したが,投与開始1カ月後のCTで多発肝転移は増大しており,ラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation:RFA)を追加した.RFAを計3回,14病変に施行した.初回RFA施行から2年6カ月の間,再発や新規肝転移は認めず,病勢制御が可能であった.初回術後2年,5年,7年,10年目に肝転移再発に対し肝切除術を施行した.その後,両側肺転移,右副腎転移,前縦隔再発,後腹膜再発,膵転移,後縦隔再発に対して,外科切除を施行した.初回術後13年6カ月経過しているが,無再発生存中で,イマチニブ投与を継続中である.小腸GIST同時性多発転移に対してRFAを含む集学的治療の有効性が示唆された.

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