日本臨床外科学会雑誌
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症例
急速な経過でDICに進展した非穿孔性急性虫垂炎の1例
水戸 正人福成 博幸渡邊 明美林 哲二
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キーワード: 非穿孔性急性虫垂炎, DIC
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2021 年 82 巻 3 号 p. 586-590

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抄録

非穿孔性急性虫垂炎に敗血症や播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation: 以下,DIC)を合併した報告は少ない.今回,われわれは急速な経過でDICに進展した非穿孔性急性虫垂炎の1例を経験した.症例は82歳,男性.午前3時より上腹部の違和感と悪心が出現し,同日夕方に近医を受診した.急性虫垂炎を疑われ,当院に紹介となった.腹部CTでは非穿孔性急性虫垂炎と診断したが,当院受診時に38℃台の発熱と数時間前の前医採血結果と比較して,白血球数と血小板数の低下,FDPの上昇を認めたため,DIC(急性期DIC基準 5点)と判断して同日緊急手術を施行した.術中所見および病理組織学的検査では穿孔を認めなかった.術後は敗血症性ショックを併発したが,集学的治療を行い軽快した.保存治療が選択されることもある非穿孔性急性虫垂炎だが,DIC,敗血症の原因疾患となり得ることを認識すべきであり,特に高齢者は急速な経過をたどることがあることに留意する必要がある.

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